2018年3月11日日曜日

未来形の使い分け

今回は、未来形の時制とその使い分けについて学習します。

4種類+1の未来形

以前に、未来形は「近未来形」と「遠未来形」に分けられることを紹介しました。

ベンバ語ではその2つに加えて「近未来進行形」と「遠未来進行形」も存在します。
また、現在形である "lee" 時制も未来を示す際に使われる場合があります。

例として、「走る = butuka」を各表現で表現すると以下のようになります。


  • Nalabutuka. ("ala" 時制: 近未来形)
  • Nkabutuka. ("ka" 時制: 遠未来形)
  • Nakulabutuka. ("akula" 時制: 近未来進行形)
  • Nkalabutuka. ("kala" 時制: 遠未来進行形)
  • Ndeebutuka. ("lee" 時制: 現在形)


"ala" 時制と "ka" 時制の復習も含め、それぞれの時制について説明をしていきます。

"ala" 時制 ⇒ 近い未来

"ala" 時制は近い未来を表す時制です。一般的には発言をした当日中の未来を表します。
よって「Nalabutuka.」を英語に訳すと、「I will run (today).」という意味になります。

以前に紹介した通り、別れの挨拶である「Twalamonana. (We will meet.)」も "ala" 時制なので当日中の再会が予想される場合に使う形となります。

"ka" 時制 ⇒ 遠い未来

"ka" 時制は遠い未来を表します。翌日またはそれ以降の未来を表します。
そのため、「Nkabutuka.」は「I will run (tomorrow or later).」となります。

別れの挨拶であれば、再会が明日以降(またはいつか分からない)になりそうであれば「Tukamonana.」となります。

"akula" 時制 ⇒ 近未来の進行動作

"akula" は近い未来の進行動作を表す時制で、英語でいうところの「will being」を表現します。"ala" 時制と同じく当日中が予想される場合に使われます。

「Nakulabutuka.」は「I will be running (today).」と訳すことができます。
日本語訳であれば「Nalabutuka. ("ala" 時制) = 私は走るでしょう」に対して「Nakulabutuka. ("akula" 時制) = 私は走っているでしょう。」といったところでしょうか。

"kala" 時制 ⇒ 遠未来の進行動作

"kala" は遠い未来の進行動作を表す時制です。"ka" 時制と同様、明日かそれ以降が予想される場合に使われます。

もう予想が付くかと思いますが、「Nkalabutuka.」は「I will be running (tomorrow or later).」となります。

"lee" 時制 ⇒ 直後の未来

イギリス英語において、進行形表現である「am doing」は未来表現としても使われます。
それと同様に、現在(兼現在進行形)である "lee" 時制でも未来の動作を示すことができます。

時間軸としては、"ala" が「今から数分~数時間後(今日中)」くらいだとすると、"lee" は「今から直ぐに」といったような直後の未来であるというニュアンスを持っています。

まとめ

未来を示す時制をまとめると以下のようになります。

  • "ala" 時制 ... 本日中の未来
  • "ka" 時制 ... 明日以降の未来
  • "akula" 時制 ... 本日中の未来の進行表現
  • "kala" 時制 ... 明日以降の未来の進行表現
  • "lee" 時制 ... 直後の未来, 現在の動作

表現例


  • Nshikalemba ibuuku. = I will not write a book (tomorrow or later).
  • Tamwalasambilila lelo. = You will not learn today.
  • Mwakulaseka. = You will be laughing (today).
  • Bakalacinja. = They will be changing (tomorrow or later).


単語まとめ


  • 名詞
    • ibuuku (amabuuku) = book
  • 動詞
    • -butuka = run
    • -lemba = write
    • -sambilila = learn
    • -seka = laugh
    • -cinja = change
  • その他
    • lelo = today

2018年3月10日土曜日

現在形の使い分け

今回は、現在形の種類とその使い分けを学習します。

3種類の現在形

ベンバ語には現在形にあたる時制が3種類あります。

例えば、英語の「He goes to school on foot. (彼は歩いて学校に行きます)」という文に対して、ベンバ語では以下3種類の表現が可能です。
(「ya = go」、「ku sukulu = to school」、「na makasa = on foot」です)

  • Aleeya ku sukulu na makasa. ("lee" 時制)
  • Alaya ku sukulu na makasa. ("la" 時制)
  • Aya ku sukulu na makasa. (時制無し)

時制によって「Aleeya ("lee" 時制)」「Alaya ("la" 時制)」「Aya (時制無し)」に分かれましたが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。

"lee" 時制 ⇒ 現在の動作

"lee" 時制はシンプルに「現在の動作」を表します。また、ごく近い予定を指す場合もあります。

なので「Aleeya ku sukulu na makasa.」は、「彼は学校へ向かって歩いている ⇒ (現在進行)」または「彼は今から学校へ歩いて行く ⇒ (近い予定)」といった意味合いの表現と言えます。

なお、参考書によっては「"lee" 時制 = 現在進行形」と説明されることもありますが、必ずしも英語の「be doing」と合致させる必要はありません。例えば英語では「I'm wanting」とは言いませんが、「Ndeefwaya (I want)」は "lee" 時制が使えます。

"la" 時制 ⇒ 自発的な習慣

"la" 時制と "時制無し" は、いずれも「習慣的な動作」を表します。

そのため「Alaya ku sukulu na makasa.」と「Aya ku sukulu na masaka.」はいずれも「彼は学校に徒歩で通学をしています」といった意味合いとなります。

では「Alaya ("la" 時制)」と「Aya (時制無し)」の違いですが、"la" 時制では自発的な習慣というニュアンスが含まれます。今回の例だと「彼は徒歩で通学するようにしている」といった感じでしょうか。

他の例を挙げるなら、例えば「私は毎朝コーヒーを飲む = Ndanwa kofi uluceelo lonse」と言いたい際には "la" 時制の方が適しているでしょう。

時制無し ⇒ 必然的な習慣

対して時制がない場合は、「必然的な習慣 = 当たり前のこと / そうしないといけないこと」という意味合いが含まれてきます。

つまり「Aya ku sukulu na masaka.」は「彼は徒歩通学が当たり前の環境にいる」といったイメージでしょうか。

他の例であれば「私達は夜に眠る = Tusendama ubushiku」などは時制なしで表現するべきものとなります。

まとめ

3つの時制をまとめると以下のようになります。

  • "lee" 時制 ... 現在の動作, 直後の予定
  • "la" 時制 ... 習慣の動作 (自発的)
  • 時制なし ... 習慣の動作 (必然的)

ただし、"la" 時制と "時制なし" の違いについては、参考書によっては「どちらも習慣の動作です」で済まされているものもあります。実際にはそこまで使い分けはしなくても良いのかもしれません。(そのうちザンビア人に聞ける機会があったら確認してみようと思います)

表現例

  • Ndeesambilila icibemba. = I am studying Bemba language.
  • Muleefwaya icooni. = You want a bird.
  • Balapeepa. = They take tabacco (as a habit).
  • Tatubomfya iminwe yesu = We don't use our fingers (as a habit).

単語まとめ

  • 名詞
    • ulukasa (amakasa) = foot
    • isukulu (amasukulu) = school
    • kofi (amakofi) = coffee
    • uluceelo = morning
    • ubushiku = night, day
  • 動詞
    • -ya = go
    • -nwa = drink
    • -sendama = sleep
    • -peepa = smoke
  • その他
    • ...onse = every, all

2018年3月8日木曜日

「またね」の伝え方

今回は、「またね (We will meet)」の伝え方を学習します。

2種類の「またね」

人と別れる際に「またね」と伝えたい場合、ベンバ語では「We will meet. (また会うでしょう)」という意味のフレーズを用います。

しかしその際、以下の2表現から適切な方を選んで発言する必要があります。
(「monana」は動詞で「meet / see each other」という意味です)

  • Twalamonana. (トゥワラモナナ) = We will meet. (本日中)
  • Tukamonana. (トゥカモナナ) = We will meet. (明日か更に先)

英語ではどちらも「We will meet.」と訳されてしまうのですが、ベンバ語では括弧内にあるように「どのくらい未来か」によって明確に区別されます。

Twalamonana (また直ぐに)

「Twalamonana」は、また直ぐに、一般的には当日中に再会しそうな場合に使われる「またね」です。

表現を要素に分解すると以下のようになります。

  • Twalamonana. = We will meet. (当日中)
    • Tu = We
    • ala = "ala" 時制 (近未来)
    • monana = meet

ベンバ語には未来形に「近未来」と「遠未来」の2種類があり、近い未来 (一般には当日中) に起きそうな場合には近未来形である "ala" 時制が用いられます。
英語であれば「See you later.」が意訳として近いニュアンスです。

Tukamonana (またいつか)

対して、「Tukamonana」は、またいつか、一般的には明日かそれ以降に再会しそうな場合に使われます。再会するかどうか分からない場合も「Tukamonana」です。

こちらも表現を分解してみます。

  • Tukamonana. = We will meet. (明日か更に先)
    • Tu = We
    • ka = "ka" 時制 (遠未来)
    • monana = meet

「Tukamonana」では遠未来形である "ka" 時制を用います。これにより遠い未来 (明日以降) であることが示唆されるのです。
英語であれば「See you tomorrow (or some day).」といった感じでしょうか。

各主語での "ala" "ka" 時制表現

"ala" 時制、"ka" 時制の場合も、主語の変化はこれまでと同様です。
以下は「monana」の代わりに、親戚表現の「mona (see)」という動詞を使って例示します。
(「monana」は「お互いに」というニュアンスを含み、「私」が主語だと少し奇妙になるため)

  • "ala" 時制
    • Nalamona. = I will see (today).
    • Walamona. = You will see (today). (単数, 敬意無し)
    • Mwalamona. = You will see (today).
    • Aalamona. = He/She will see (today). (単数, 敬意無し)
    • Baalamona. = They will see (today).
    • Twalamona. = We will see (today).

  • "ka" 時制
    • Nkamona. = I will see (tomorrow or later).
    • Ukamona. = You will see (tomorrow or later). (単数, 敬意無し)
    • Mukamona. = You will see (tomorrow or later).
    • Akamona. = He/She will see (tomorrow or later). (単数, 敬意無し)
    • Bakamona. = They will see (tomorrow or later).
    • Tukamona. = We will see (tomorrow or later).

否定表現

否定表現もこれまでの方式と違いはありません。以下にそれぞれ例示します。

  • "ala" 時制
    • Nshalamona. = I won't see (today).
    • Tawalamona. = You won't see (today). (単数, 敬意無し)
    • Tamwalamona. = You won't see (today).
    • Taalamona. = He/She won't see (today). (単数, 敬意無し)
    • Tabaalamona. = They won't see (today).
    • Tatwalamona. = We won't see (today).

  • "ka" 時制
    • Nshikamona. = I won't see (tomorrow or later).
    • Taukamona. = You won't see (tomorrow or later). (単数, 敬意無し)
    • Tamukamona. = You won't see (tomorrow or later).
    • Taakamona. = He/She won't see (tomorrow or later). (単数, 敬意無し)
    • Tabakamona. = They won't see (tomorrow or later).
    • Tatukamona. = We won't see (tomorrow or later).

表現例

  • Nkalemba icitabo. = I will write a book (some day).
  • Tukamonana mailo! = We will meet tomorrow!
  • Bushe walasambilila icisungu? = Will you study English (today)?
  • Tabaalaya. = They won't go (today).
  • Nshikafwa na iwe! = I will not die with you!

単語まとめ

  • 名詞
    • icitabo (ifitabo) = book
    • icisungu (ifisungu) = English
  • 動詞
    • -mona = see
    • -monana = meet / see each other
    • -lemba = write
    • -sambilila = study
    • -ya = go
    • -fwa = die
  • その他
    • bushe = "?" (question marker)
    • na = and
    • mailo = tomorrow / yesterday

※ 「mailo」は「明日 / 昨日」の両方を意味し、どちらであるかは文脈で判断します。

2018年3月7日水曜日

「... に行く/から来た」の伝え方

今回は、「私は ... に行く / ... から来た」の表現を学習します。

Ndeeya ku ... (私は ... に行く)

例えば「私は Ndola へ行く」という表現は以下のようになります。
(Ndola はザンビアにある都市の名前です)

  • Ndeeya ku Ndola. (ンデーヤ ク ンドラ)

前回に学習した「Ndeefwaya」と同様、「N + lee + 動詞」の構造です。
文章を要素に分解してみましょう。

  • Ndeeya ku Ndola.
    • N = I
    • dee = "lee" 時制
    • ya = go
    • ku = to
    • Ndola = Ndola

「ku」は前置詞で、ここでは英語の「to」と同じ用途で使われています。

Nafuma ku ... (私は ... から来た)

反対に「私は Ndola から来た」と言う場合には以下の表現になります。

  • Nafuma ku Ndola. (ナフマ ク ンドラ)

ここで2つ、気になる点が出てきます。
1つは「私は ... に行く」の場合と違って「Ndee」で始まらないこと、もう1つは「~から (from)」なのに先ほどと同様「ku」が使われていることです。

それでは要素ごとに分解してみましょう。

  • Nafuma ku Ndola.
    • N = I
    • a = "a" 時制
    • fuma = come
    • ku = from
    • Ndola = Ndola

まず1つめの「Ndee」で始まらない点ですが、こちらは時制が異なるためです。
「来た」なので過去形である "a" 時制が使われています。そのため、もし「私は Ndola に来ます」であれば「Ndeefuma ku Ndola.」となります。

そして2つめですが、「ku」は「to」だけでなく「from, at」としても使われます。日本語や英語の感覚からすると奇妙ですが、そういうものだと思ってください。

Mwafuma ku ... (あなたは ... から来た)

「Ndee..」の主語に関しては前回「Ndeefwaya」で変化を確認しているので、今回は「Nafuma ku Ndola」の主語を変更してみます。

  • Nafuma ku Ndola. (ナフマ ク ンドラ) = I came from Ndola.
  • Wafuma ku Ndola. (ワフマ ク ンドラ) = You came from Ndola. (単数, 敬意無し)
  • Mwafuma ku Ndola. (ムワフマ ク ンドラ) = You came from Ndola.
  • Aafuma ku Ndola. (アーフマ ク ンドラ) = He/She came from Ndola. (単数, 敬意無し)
  • Baafuma ku Ndola. (バーフマ ク ンドラ) = They came from Ndola.
  • Twafuma ku Ndola. (トゥワフマ ク ンドラ) = We came from Ndola.

「You (単数) は U じゃなかったっけ」と思われたかもしれませんが、これは「UA → WA」と変化するルールがあるためです。そのため「Uafuma → Wafuma」「Muafuma → Mwafuma」「Tuafuma → Twafuma」となっています。

Nshafuma ku ... (私は ... から来ていない)

否定表現にすると以下のようになります。

  • Nshafuma ku Ndola. (ンシャフマ ク ンドラ) = I didn't come from Ndola.
  • Tawafuma ku Ndola. (タワフマ ク ンドラ) = You didn't come from Ndola. (単数, 敬意無し)
  • Tamwafuma ku Ndola. (タムワフマ ク ンドラ) = You didn't come from Ndola.
  • Taafuma ku Ndola. (ターフマ ク ンドラ) = He/She didn't come from Ndola. (単数, 敬意無し)
  • Tabaafuma ku Ndola. (タバーフマ ク ンドラ) = They didn't come from Ndola.
  • Tatwafuma ku Ndola. (タトゥワフマ ク ンドラ) = We didn't come from Ndola.

「N + shi + a」が「Nshia」ではなく「Nsha」である点に注意してください。

補足: Naisa と Naya

違った場面でよく使われる「行く / 来る」の表現として、「Naisa (ナイサ)」と「Naya (ナヤ)」があります。

「Naisa」は例えば、家族から「ちょっと来て」と呼ばれた際に「いま行く! (Naisa!)」と答えるときに使われます。
「Naya」は、人と立ち話をしていて「じゃあ、もう行くよ (Naya.)」といった場面で使われます。

英語であれば「I'm coming.」「I'm going.」となる場面なのですが、ベンバ語では過去形 ("a"時制) で表現されています。このように、必ずしも英語や日本語との直訳が成り立つわけではないという点には注意しながら学習を進めてみてください。

なお、「Naisa」の「isa」も「come (来る)」という意味の動詞です。
「fuma」と何が違うかというと、「isa」が一般的な「come」であることに対して、「fuma」は「出てくる (come out / go out)」という意味合いを持っています。ニュアンスの違いを意識して使い分けを試みてください。

表現例

  • Ndeeya ku ng'anda. = I'm going home.
  • Muleeya kwisa? = Where are you going?
  • Tatuleeya. = We are not going.
  • Isa kuno. = Come here.
  • Fuma! Fuma! = Come out! Come out!

単語まとめ

  • 名詞
    • ing'anda (ing'anda) = home

  • 動詞
    • -ya = go
    • -fuma = come out / go out
    • -isa = come

  • その他
    • ku = to / from / at
    • kwisa = where
    • kuno = here

「...が欲しい/したい」の伝え方

今回は、「...が欲しい/したい」という要求の表現を学習します。

Ndeefwaya ... (私は ... が欲しい)

何かが欲しいことを伝える際は「Ndeefwaya + 欲しいもの(名詞)」と表現します。
例えば、以下のようになります。

  • Ndeefwaya kaloti. (ンデーフワヤ カロティ) = I want a carrot.
  • Ndeefwaya motoka. (ンデーフワヤ モトカ) = I want a car.
  • Ndeefwaya amaapo. (ンデーフワヤ アマーポ) = I want apples.

Ndeefwaya uku... (私は ... がしたい)

何かをしたいことを伝える際には「Ndeefwaya + uku + したいこと(動詞原形)」と表現します。
例えば、以下のようになります。

  • Ndeefwaya ukulya kaloti. (ンデーフワヤ ウクリャ カロティ) = I want to eat a carrot.
  • Ndeefwaya ukubomba. (ンデーフワヤ ウクボンバ) = I want to work.
  • Ndeefwaya ukuya ku Japan. (ンデーフワヤ ウクヤ ク ジャパン) = I want to go to Japan.

文法上の理解

「Ndeefwaya ukulya kaloti」を要素ごとに分解すると、以下のように直訳ができます。

  • Ndeefwaya kaloti. = I want a carrot.
    • N = I
    • dee = "lee" 時制 (nlee が ndee に変化)
    • fwaya = want
    • uku = to
    • lya = eat
    • kaloti = a carrot

ベンバ語では主語(N)と動詞(fwaya)の間に時制が入ります。時制についてはまた別途に学習しますが、"lee" 時制は英語の「現在進行形」にあたります。

また、動詞(原形)の直前に uku が付くと、「to eat」「to go」のように不定詞として扱われます。

Muleefwaya ... (あなたは ... が欲しい)

上記の文法を理解できれば、「私」以外を主語にした表現も簡単にできます。

  • Uleefwaya ukulya kaloti. = You want to eat a carrot. (単数, 敬意無し)
  • Muleefwaya ukulya kaloti. = You want to eat a carrot.
  • Aleefwaya ukulya kaloti. = He/She wants to eat a carrot. (単数, 敬意無し)
  • Baleefwaya ukulya kaloti. = They want to eat a carrot.
  • Tuleefwaya ukulya kaloti. = We want to eat a carrot.

Nshileefwaya ... (私は ... が欲しくない)

こちらも復習となりますが、否定に関してもBe動詞の場合と同じ方法で表すことができます。

  • 一人称(N) ⇒  主語の後ろに shi を入れる
    • Nshileefwaya kaloti. = I don't want a carrot.
  • それ以外 ⇒ 主語の前に Ta を付ける
    • Tauleefwaya kaloti. = You don't want a carrot. (単数, 敬意無し)
    • Tamuleefwaya kaloti. = You don't want a carrot.
    • Taaleefwaya kaloti. = He/She don't want a carrot. (単数, 敬意無し)
    • Tabaleefwaya kaloti. = They want a carrot.
    • Tatuleefwaya kaloti. = We want a carrot.

利用例

タクシーで街まで出たいとき
 A: Mwabombeeni mukwai, ndeefwaya ukuya ku town. (Hello, I want to go to town.)
 B: Eya mukwai, tuleeya nomba. (Yes, we are going now.)
 A: Nishinga? (How much?)
 B: 30 Kwacha. (30 Kwacha.)
 A: Cawama. OK, tuleeya. (That's nice. OK, we are going.)

表現・単語まとめ

  • 名詞 (括弧内は複数形)
    • kaloti (amakaloti) = carrot
    • apo (amaapo) = apple
    • motoka (amamotoka) = a car
  • 動詞
    • -fwaya = want
    • -ya = go
    • -lya = eat
    • -bomba = work
  • その他
    • nomba = now

2018年3月6日火曜日

名前, 職業を紹介する表現

今回は、前回・前々回に習ったBe動詞表現の特殊な場合として、名前や職業を示す際の表現について学習します。

Nine kafundisha (私は教師です)

英語では「私はザンビアにいます (I am in Zambia.)」「私は元気です (I am fine.)」「私は教師です (I am a teacher)」のいずれにおいても「I am」が用いられます。

ベンバ語でも「I am」には通常Be動詞の「ba (および li)」が使われますが、上記の3番目にあたる「何者であるか (名前, 職業) 」を示す場合に限り異なる表現が用いられます。

  • I am in Zambia. = Ndi mu Zambia.
  • I am fine. = Ndi bwino.
  • I am a teacher. = Nine kafundisha. (kafundisha = a teacher)

それぞれの人称による「... は教師です」の表現

各人称における表現は以下ようになります。

  • Nine kafundisha. (ニネ カフンディシャ) = I am a teacher.
  • Niwe kafundisha. (ニウェ カフンディシャ) = You are a teacher. (単数, 敬意無し)
  • Nimwe bakafundisha. (ニムウェ バカフンディシャ) = You are teachers. (複数)
  • Ni kafundisha. (ニ カフンディシャ) = He/She is a teacher. (敬意無し)
  • Ni bakafundisha. (ニ バカフンディシャ) = They are teachers.
  • Nifwe bakafundisha. (ニフウェ バカフンディシャ) = We are teachers.

補足1: Kafundisha と Bakafundisha

人名や職業の前に「Ba」を付けると「複数」または「敬意」を示す表現となります。

  • Mulenga (ムレンガ) = ムレンガ
  • Ba Mulenga (バ ムレンガ) = ムレンガさん
  • Kapokola (カポコラ) = 警察官
  • Bakapokola (バカポコラ) = 警察官さん (たち)

といったイメージです。
英語の「Mr」と複数形を兼ねたものと捉えてくれれば大丈夫です。

補足として、人名を指す際に既婚女性の場合は「ba」ではなく「bana = Mrs」となります (独身女性または不明の場合は「ba」です)。

文法上の Nine の解釈

会話の上では「Nine は名前や職業を表すときの "I am"」「Ndi はその他の場合の "I am"」と覚えてしまえば良いのですが、無理やり直訳すると以下のようになります。

  • Nine kafundisha. = It's (me) a teacher.
    • Ni = It's
    • ine = me
    • kafundisha = a teacher

同様に you, us の場合は以下のように分解できます。

  • Niwe kafundisha = Ni(it's) + iwe(you) + kafundisha(a teacher)
  • Nimwe bakafundisha = Ni(it's) + imwe(you) + bakafundisha(teachers)
  • Nifwe bakafundisha = Ni(it's) + ifwe(us) + bakafundisha(teachers)

he/she, they の場合は「Ni」の後に何もつきません。これは慣習によるものだと思ってもらうしかないです。

  • Ni kafundisha = Ni(it's) + kafundisha(a teacher)
  • Ni bakafundisha = Ni(it's) + bakafundisha(teachers)

補足2: 目的格の人称代名詞

上記で登場した「ine」や「ifwe」は、英語における 「me」「us」といった目的格の人称代名詞に対応します。一覧すると以下となります。

  • ine (イネ) = me
  • iwe (イウェ) = you (単数, 敬意無し)
  • imwe (イムウェ) = you (複数)
  • uyu (ウユ) = him/her (単数, 敬意無し)
  • aba (アバ) = them
  • ifwe (イフウェ) = us

この例に従うと「Ni uyu kafundisha.」や「Ni aba bakafundisha.」も成り立ちそうですが、通常は省略されて表現されます (文法上、付けても意味は通るはずですが)。 
これら目的格の人称代名詞については、別の投稿で改めて取り上げたいと思います。

Te ine kafundisha (私は教師ではありません)

文頭の「Ni」を「Te」に変化させることで否定表現となります。
また、この場合は「he/she, they」についても上記で紹介した人称代名詞が明示されます。

  • Te ine kafundisha. (テ イネ カフンディシャ) = I am a teacher.
  • Te iwe kafundisha. (テ イウェ カフンディシャ) = You are a teacher. (単数, 敬意無し)
  • Te imwe bakafundisha. (テ イムウェ バカフンディシャ) = You are teachers. (複数)
  • Te uyu kafundisha. (テ ウユ カフンディシャ) = He/She is a teacher. (敬意無し)
  • Te aba bakafundisha. (テャーバ バカフンディシャ) = They are teachers.
  • Te ifwe bakafundisha. (テーフウェ バカフンディシャ) = We are teachers.

表現例

  • Nine Hanako. = I am Hanako.
  • Ishina lyandi nine Taro. = My name is Taro.
  • Ni ba Musonda. = He is Mr.Musonda.
  • Ni uyu! = It's you!
  • Te ine shing'anga. = I am not a doctor.
  • Te aba abasambi. = They are not students.

単語・表現まとめ

  • 名詞 (括弧は複数形)
    • kafundisha (bakafundisha) = teacher
    • kapokola (bakapokola) = police officer
    • umusambi (abasambi) = student
    • shing'anga (bashing'anga) = doctor
    • ishina (amashina) = name
  • その他
    • ine = me
    • iwe = you (単数, 敬意無し)
    • imwe = you (複数)
    • uyu = him/her (単数, 敬意無し)
    • aba = them
    • ifwe = us
    • -andi = my

2018年3月5日月曜日

「私は ... にいません」の伝え方

今回は、「私は ... にいません」のような基本の否定表現を学習します。

Tamuli mu Zambia (あなたはザンビアにいません)

主語が「私 = N」以外については、主語の前に「Ta」を付けることで否定表現となります。

  • Tauli mu Zambia. = You are not in Zambia. (単数, 敬意無し)
  • Tamuli mu Zambia. = You are not in Zambia. (複数)
  • Taali mu Zambia. = He/She is not in Zambia. (敬意無し)
  • Tabali mu Zambia. = They are not in Zambia.
  • Tatuli mu Zambia. = We are not in Zambia.

「He/She is not」の「Taali」は、人や本によって「Tali」と省略して書かれることもあります。

Nshili mu Zambia (私はザンビアにいません)

「私 = N」の場合のみは特殊で、主語の直後に「shi」を入れることで否定表現とします。

  • Nshili mu Zambia. = I am not in Zambia.

この場合、N と L が連続しないため「li」が「di」に変化することはありません。


Be動詞, 現在形以外の場合

詳しくは別の機会にも学習しますが、動詞の種類や時制に関わらず基本的には同じ方式で否定表現にできます。

  • 主語が「私 = N」の場合 ... N の直後に shi を入れる
  • それ以外の場合 ... 主語の直前に Ta を入れる

例えば、動詞が「cita = do」であれば以下のようになります。

  • Ncita = I do.
  • Nshicita = I don't do.
  • Mucita = You do.
  • Tamucita = You don't do.

利用例

友人から今いる場所を尋ねられたとき
 A: Bushe muli pa citesheni? (Are you at the station?)
 B: Awe, nshili pa citesheni. (No, I'm not at the station.)

単語まとめ

  • 名詞
    • icitesheni = a station
  • 動詞
    • -cita = do
  • その他
    • awe = no
    • mu = in
    • pa = at
    • bushe = "?" (Question marker)