Ndeeya ku ... (私は ... に行く)
例えば「私は Ndola へ行く」という表現は以下のようになります。
(Ndola はザンビアにある都市の名前です)
- Ndeeya ku Ndola. (ンデーヤ ク ンドラ)
前回に学習した「Ndeefwaya」と同様、「N + lee + 動詞」の構造です。
文章を要素に分解してみましょう。
- Ndeeya ku Ndola.
- N = I
- dee = "lee" 時制
- ya = go
- ku = to
- Ndola = Ndola
「ku」は前置詞で、ここでは英語の「to」と同じ用途で使われています。
Nafuma ku ... (私は ... から来た)
反対に「私は Ndola から来た」と言う場合には以下の表現になります。
- Nafuma ku Ndola. (ナフマ ク ンドラ)
ここで2つ、気になる点が出てきます。
1つは「私は ... に行く」の場合と違って「Ndee」で始まらないこと、もう1つは「~から (from)」なのに先ほどと同様「ku」が使われていることです。
それでは要素ごとに分解してみましょう。
- Nafuma ku Ndola.
- N = I
- a = "a" 時制
- fuma = come
- ku = from
- Ndola = Ndola
まず1つめの「Ndee」で始まらない点ですが、こちらは時制が異なるためです。
「来た」なので過去形である "a" 時制が使われています。そのため、もし「私は Ndola に来ます」であれば「Ndeefuma ku Ndola.」となります。
そして2つめですが、「ku」は「to」だけでなく「from, at」としても使われます。日本語や英語の感覚からすると奇妙ですが、そういうものだと思ってください。
Mwafuma ku ... (あなたは ... から来た)
「Ndee..」の主語に関しては前回「Ndeefwaya」で変化を確認しているので、今回は「Nafuma ku Ndola」の主語を変更してみます。
- Nafuma ku Ndola. (ナフマ ク ンドラ) = I came from Ndola.
- Wafuma ku Ndola. (ワフマ ク ンドラ) = You came from Ndola. (単数, 敬意無し)
- Mwafuma ku Ndola. (ムワフマ ク ンドラ) = You came from Ndola.
- Aafuma ku Ndola. (アーフマ ク ンドラ) = He/She came from Ndola. (単数, 敬意無し)
- Baafuma ku Ndola. (バーフマ ク ンドラ) = They came from Ndola.
- Twafuma ku Ndola. (トゥワフマ ク ンドラ) = We came from Ndola.
「You (単数) は U じゃなかったっけ」と思われたかもしれませんが、これは「UA → WA」と変化するルールがあるためです。そのため「Uafuma → Wafuma」「Muafuma → Mwafuma」「Tuafuma → Twafuma」となっています。
Nshafuma ku ... (私は ... から来ていない)
否定表現にすると以下のようになります。
- Nshafuma ku Ndola. (ンシャフマ ク ンドラ) = I didn't come from Ndola.
- Tawafuma ku Ndola. (タワフマ ク ンドラ) = You didn't come from Ndola. (単数, 敬意無し)
- Tamwafuma ku Ndola. (タムワフマ ク ンドラ) = You didn't come from Ndola.
- Taafuma ku Ndola. (ターフマ ク ンドラ) = He/She didn't come from Ndola. (単数, 敬意無し)
- Tabaafuma ku Ndola. (タバーフマ ク ンドラ) = They didn't come from Ndola.
- Tatwafuma ku Ndola. (タトゥワフマ ク ンドラ) = We didn't come from Ndola.
「N + shi + a」が「Nshia」ではなく「Nsha」である点に注意してください。
補足: Naisa と Naya
違った場面でよく使われる「行く / 来る」の表現として、「Naisa (ナイサ)」と「Naya (ナヤ)」があります。
「Naisa」は例えば、家族から「ちょっと来て」と呼ばれた際に「いま行く! (Naisa!)」と答えるときに使われます。
「Naya」は、人と立ち話をしていて「じゃあ、もう行くよ (Naya.)」といった場面で使われます。
英語であれば「I'm coming.」「I'm going.」となる場面なのですが、ベンバ語では過去形 ("a"時制) で表現されています。このように、必ずしも英語や日本語との直訳が成り立つわけではないという点には注意しながら学習を進めてみてください。
なお、「Naisa」の「isa」も「come (来る)」という意味の動詞です。
「fuma」と何が違うかというと、「isa」が一般的な「come」であることに対して、「fuma」は「出てくる (come out / go out)」という意味合いを持っています。ニュアンスの違いを意識して使い分けを試みてください。
表現例
- Ndeeya ku ng'anda. = I'm going home.
- Muleeya kwisa? = Where are you going?
- Tatuleeya. = We are not going.
- Isa kuno. = Come here.
- Fuma! Fuma! = Come out! Come out!
単語まとめ
- 名詞
- ing'anda (ing'anda) = home
- 動詞
- -ya = go
- -fuma = come out / go out
- -isa = come
- その他
- ku = to / from / at
- kwisa = where
- kuno = here