3種類の現在形
ベンバ語には現在形にあたる時制が3種類あります。
例えば、英語の「He goes to school on foot. (彼は歩いて学校に行きます)」という文に対して、ベンバ語では以下3種類の表現が可能です。
(「ya = go」、「ku sukulu = to school」、「na makasa = on foot」です)
- Aleeya ku sukulu na makasa. ("lee" 時制)
- Alaya ku sukulu na makasa. ("la" 時制)
- Aya ku sukulu na makasa. (時制無し)
時制によって「Aleeya ("lee" 時制)」「Alaya ("la" 時制)」「Aya (時制無し)」に分かれましたが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
"lee" 時制 ⇒ 現在の動作
"lee" 時制はシンプルに「現在の動作」を表します。また、ごく近い予定を指す場合もあります。
なので「Aleeya ku sukulu na makasa.」は、「彼は学校へ向かって歩いている ⇒ (現在進行)」または「彼は今から学校へ歩いて行く ⇒ (近い予定)」といった意味合いの表現と言えます。
なお、参考書によっては「"lee" 時制 = 現在進行形」と説明されることもありますが、必ずしも英語の「be doing」と合致させる必要はありません。例えば英語では「I'm wanting」とは言いませんが、「Ndeefwaya (I want)」は "lee" 時制が使えます。
"la" 時制 ⇒ 自発的な習慣
"la" 時制と "時制無し" は、いずれも「習慣的な動作」を表します。
そのため「Alaya ku sukulu na makasa.」と「Aya ku sukulu na masaka.」はいずれも「彼は学校に徒歩で通学をしています」といった意味合いとなります。
では「Alaya ("la" 時制)」と「Aya (時制無し)」の違いですが、"la" 時制では自発的な習慣というニュアンスが含まれます。今回の例だと「彼は徒歩で通学するようにしている」といった感じでしょうか。
他の例を挙げるなら、例えば「私は毎朝コーヒーを飲む = Ndanwa kofi uluceelo lonse」と言いたい際には "la" 時制の方が適しているでしょう。
時制無し ⇒ 必然的な習慣
対して時制がない場合は、「必然的な習慣 = 当たり前のこと / そうしないといけないこと」という意味合いが含まれてきます。
つまり「Aya ku sukulu na masaka.」は「彼は徒歩通学が当たり前の環境にいる」といったイメージでしょうか。
他の例であれば「私達は夜に眠る = Tusendama ubushiku」などは時制なしで表現するべきものとなります。
まとめ
3つの時制をまとめると以下のようになります。
- "lee" 時制 ... 現在の動作, 直後の予定
- "la" 時制 ... 習慣の動作 (自発的)
- 時制なし ... 習慣の動作 (必然的)
ただし、"la" 時制と "時制なし" の違いについては、参考書によっては「どちらも習慣の動作です」で済まされているものもあります。実際にはそこまで使い分けはしなくても良いのかもしれません。(そのうちザンビア人に聞ける機会があったら確認してみようと思います)
表現例
- Ndeesambilila icibemba. = I am studying Bemba language.
- Muleefwaya icooni. = You want a bird.
- Balapeepa. = They take tabacco (as a habit).
- Tatubomfya iminwe yesu = We don't use our fingers (as a habit).
単語まとめ
- 名詞
- ulukasa (amakasa) = foot
- isukulu (amasukulu) = school
- kofi (amakofi) = coffee
- uluceelo = morning
- ubushiku = night, day
- 動詞
- -ya = go
- -nwa = drink
- -sendama = sleep
- -peepa = smoke
- その他
- ...onse = every, all